・躁鬱で身体と心がどうにも動かなかった時、何をやる気力もなく、俯いたままでした。

ある日、たまたま目の前にあった精油に、かろうじて手を伸ばし、蓋を開けました。

その香りを感じた瞬間、ふっと顔を上げることができました。

切り取られた風景として、今も鮮明に憶えています。

シダーウッド・アトラス。

他の何を以ても動けなかった自分の奥底に、響いてくれた香り。

ずっと愛用しています。

には、なりませんでした。

それ以来、この香りは受け付けません。何とか使いたいと頑張っても、一向に良いにおいには感じられず…。

アロマの鉄則、良いにおいに感じないのは、今の自分に必要ではないから。

不思議な体験ですが、そのお陰で今があると思うと、一度きりの、恩義ある香りです。